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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

「何だって? 洲崎沖を乗り落したんだって? それじゃあ、もう外へ出たんだな」

「うむ、もうちっとで外へ出ようとして、巴を捲いているんだ」

「南無阿弥陀仏」

中から一人、跳り上って念仏を唱えるものがありました。それを音頭として、つづいて題目を声高らかに唱え出すものがあります。四辺かまわず喚と声を上げて泣き立てる者もありました。

「まあまあ、皆さん、まだ脈はあるんだからお静かになせえまし、気を鎮めておいでなさいよ……ここでひとつ、一世一代の御相談が始まるんだ。というのはね、今いう通り、どうもこりゃあ人間業じゃあござんせんよ、たしかに海の神様に見込まれたものがあるんだ、それで、海の神様が、いたずらをなさるんだから、海の神様をお鎮め申さなけりゃ、この難を逃れっこなし。海の神様というのは、竜神様のことよ。こりゃあ今に始まったことじゃねえのさ、大昔の日本武尊様でさえ、この神様につかまっちゃあ、ずいぶん悩まされたもんだ。だから、その海の神様に何か差上げなけりゃア、この御難は逃れっこなし。どうです皆さん、気を揃えて、ひとつその相談に乗っておくんなさいまし」

暴風雨に打たれたままの赤裸で、腰帯に一挺の斧を挿んで、仁王の立ちすくんだような船頭が、思いきった顔色をしてこう言って相談をかけると、