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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

」

二人の男は、極めて卑下した言葉で屋敷の中へ申し入れましたけれども、誰も返事をする者がありませんから、そのまま怖る怖る庭の中へ入って行きました。

この二人の男の風態を見ると、二人ともに古編笠を冠っていました。二人ともに目の細かい籠を肩にかけて、穢れた着物を着て、草鞋を穿いていました。籠の中に数多の雪駄を入れたところ、言葉つきの卑下しているところや、態度のオドオドしているところなどを見れば、一見してこれは雪駄直しか、犬殺しかの種類に属する人間たちであることがわかります。

「へえ、御免下さいまし、お犬を拝見に出ましてございます」

誰も挨拶をするものがないのに、卑下した言葉をかけながら、泉水、池、庭を怖る怖る通って、例の馬場の松の大木の下までやって来ました。

「長太、これだこれだ、ここにいたよ、ここにいたよ」

二人はたちどまって、やや遠くからムク犬の姿をながめて指さしました。

「なるほど、こいつは大い犬だ、近頃の掘出し物だ、殿様が皮が欲しいとおっしゃるのも御無理はねえ、これなら下手な熊の皮より、よっぽど大したものだ。殿様は生皮を剥けとおっしゃるが、このくらいの奴に荒れられると、生皮を剥くにはかなり骨が折れる。