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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

六

に思われることに好奇心を動かされて、ほとほと呆れているようです。

この時分になって清吉も、漸く知恵が廻って来たらしく、

「そうですね、ほんとにわざっとしたようですね」

と言いました。

「ともかく、早くこれを番所まで連れて行って、手当をしようではないか」

「エエ、わたしが背負って参ります」

清吉は女の手を取って引き起し、それを肩にかけました。

六

それから三日目の夕暮のことでした。駒井甚三郎は鳥銃を肩にして、西岬村の方面から、洲崎の遠見の番所へ帰って見ると、まだ燈火がついておりません。こんなことには極めて几帳面である清吉が、今時分になって燈火をつけていないということは異例ですから、甚三郎は家の中へ入ると直ちに言葉をかけました。

「清吉、燈火がついていないね」

けれども返事がありません。甚三郎の面には一種の不安が漂いました。まず、自分の部屋へ入って蝋燭をつけました。この部屋は、甲府の城内にいた時の西洋間や、滝の川の火薬製造所にいた時の研究室とは違って、尋常の日本間、八畳と六畳の二間だけであります。ただ六畳の方の一間が南に向いて、窓を押しさえすれば、海をながめることのできるようになっているだけが違います。