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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

それと見た南条力は、ズカズカとその馬をめがけて進んで行きました。無論、五十嵐甲子雄もそれに従いました。

これは、馬子も宰領も、すわやと驚かねばならぬ振舞です。この二人だからよいようなもの、そうでなければまさに山賊追剥の振舞であります。

「待ち兼ねていたわい」

南条力は低い声でこう言って馬の前に立ち塞がると、不思議なことに馬も人も更に驚く風情はなく、ハタと歩みをとどめてしまって、

「まず、上首尾」

と言った声は、前なる馬子の口から発せられました。落着いたもので、馬子風情の口吻ではありません。

けれど、馬子の口から出たことは間違いがありません。

その時に、馬に附添って来た三人の武士は、汝れ狼藉者! と呼ばわってきってかかりでもするかと思うと、それも微塵騒がず、遽かに馬の側から立退いて、やや遠く三方に分れて立ちました。この陣場ヶ原というところは、昼ならば碓氷峠第一の展望の利くところでありますから、そうして三方にめぐり立てば、どちらの方面から来る人の目を防ぐこともできます。

ところで南条力は、右の一言を発しただけで、前にいた馬子の傍へ立寄ると、五十嵐甲子雄は二番目の馬子に近寄って、