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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

やがて案内を受けた山崎は、南条の部屋へ入ると、

「いつぞやは失礼」

と言って挨拶しました。

「その節は失礼」

南条もまた同じようなことを言って、礼を返しました。

してみればこの二人は、もう既にどこかで初対面が済んでいるものと見えます。多分、中仙道筋から相前後して、甲府の城下へ入ってから後、あの辺で相見るの機会があったものと見なければなりません。

「南条殿はいつごろ、こちらへおいでになりましたな」

「左様、あれからまもなく、こっちへやって参りましたよ」

「ははあ、左様でござるか」

「して山崎君、君は」

「拙者は、つい、この二三日前に出て来ました」

「左様でござるか。して、当分はこちらにおいでか、或いはまた甲州筋へお立帰りなさるかな」

「早速、甲府へ帰り、それからまた上方へ出かけるつもりであったが、江戸へ来て見ると、江戸にも存外、いたずら者が多いから、当分は帰らぬことになりましたわい」

「ハハハ、どこへ行っても当節は、いたずら者が多くて困りますな」

「仰せの通り。上方のいたずら者は禁廷のお庭の前でいたずらをする、江戸のいたずら者は将軍の膝元をつついてふざける、なかにはものずきなのがあって、拙者如きの首まで欲しがる奴があるから、全くやりきれたものではない」