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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

一月寺の貫主は年のうち大抵、江戸の出張所に住んでいる。院代がいるにはいるが、これはほとんど寺のことには無頓着で、短笛を弄して遊んでいる。与次郎が寺のことはいちばんよく知っていて、いちばんよく働くから、貫主も一目も二目も置くことがあります。与次郎老人が一月寺の実際上の執事でありました。その与次郎が、弁信と茂太郎に相談をかけられて、暫く眼をつぶって首を捻っていたが、やがて、ずかずかと立って戸棚の中から引出して来たのが、竹の網代の笈であります。

「我、汝が為めに箇の直綴を做得了れり」

与次郎老人が味なことを言い出しました。弁信はその声を聞いたけれども、その物を見ることができません。茂太郎はその物を見ているけれども、その言葉を悟ることができません。そこで老人は破顔一笑して、諄々と直綴の説明をはじめたようです。

どんなことに納得させたものか、その日の夕方には、例によって馬に跨った弁信が、一月寺の門前に現われました。現われたには現われたが、今日はその現われ方がいつものとは違います。いつも前に立って馬を引張って口笛を吹くべきはずの茂太郎が見えないで、その代りでもあるまいが、馬上の弁信法師は、身なりに応じない大きな笈を背負って、自ら手綱を取っています。