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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

九

「こいつは、ちっとばかり嫉ける」

がんりきがムズがゆい面をしていると、七兵衛があざ笑いました。

九

その晩のことでありました。両国橋の女軽業もハネて、楽屋の真中に大柄などてらを引っかけて立膝をしながら、長い煙管で煙草を輪に吹いているのは、一座の棟梁のお角であります。

「わたしは、これから柳橋まで行って来るから、あの子が帰ったらどこへも出さないでおくれ、お迎えがあっても、なんとか言って断わっておくれ」

誰にともなく、こんなことを言いつけたが、それでもまだ落着いて煙草をのんでいて、立とうともしません。

傍に茂太郎がいないところを見ると、ここにあの子と言ったのは、その茂太郎のことでありましょう。茂太郎が今宵もしかるべき客筋から招かれたから、出してやったあとで、お角は、こうしてひとりで、物案じをしているらしい。

「どうも、今日のお客は変だよ、後から行ってみようとは思ったけれど、それもおかしいから、ああはしてやったものの、なんとなく気が揉めるのはどうしたんだろう、行ってみようかしら。それも、あんまり腹を見られるようだし、そうかと言って、相手がどうも尋常のお客ではないらしいから、ほうっておいてもしや間違いが……間違いといったところで、相手がやっぱり女のお客だから、取って食おうというわけでもなかろうけれど、なんだか、わたしゃ