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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

「大隅さんは、あんなことをして罰が当らないでしょうか、坊主を欺すと七代祟るということだから、後生が怖ろしい」

と蔭口を言われたこともありました。しかし、いよいよ熱くなっていた坊さんは、それでもいっこう悔ゆる気色がなく、ひきつづいて通っていました。

今も、心安く、すうっと大隅の部屋へ素通りしたものと思っていると、その姿が見えないというわけです。

「御前様のお面が真蒼でした」

禿が唇を顫わして言いました。

「そう言えば、肩のところに血が滲んでいたようでした」

それっきり、ものを言う者がありません。

「大隅さん、大隅さん」

やや暫くたって障子の外から呼ぶ声で、一同が息を吹き返したようなものです。

「大隅さん、あなたをお名ざしのお客様をお通し申しました、御初会かと聞きますと、そうではないとおっしゃいます、お馴染かとおたずね申しても、そうではないとおっしゃいます、お一人で、ずっとお通りになりましたから、常のお客様と存じましたところが、お目が御不自由のようでございます、まあ、とにかく、お迎えにおいで下さいまし」

廊下に立って誰とも知らず女の声で、こう言う者があったから、大隅は立ち上りました。