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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁
大隅を名ざしで来たのは竜之助であります。初会ということでもなし、馴染ということでもないから、多分、二度目でありましょう。してみれば、いつのまにか、一度はこの家の、この女と会うたことがあったのに違いない。
しかしながら、ほんの訪ねて来たというだけで、二人は別れ別れになってしまいました。大隅は自分の部屋へ来て、気分が悪いと言って寝てしまいました。竜之助は疲労がはなはだしいと言って、他のいずれかの部屋で寝てしまいました。
その間には、芸妓、幇間を揚げて盛んに騒いでいる客もあります。一つの間に、たった一人で、しきりに義太夫を語っている者もあります。ひそひそと内密話をしている者もあります。急がしそうに手紙を書いている人もありました。
竜之助の寝ているところへ、廊下を通った番新が、そっとあけて、屏風の中を覗いて、無事に寝ていることを確めて安心して行ってしまいました。不寝番が油を差しに来た時も、ちょっと驚かされたけれども、やっぱり無事に眠っているものだから、安心して行ってしまいました。
寝返りを打った途端に、右の手の傷がヒリリと痛んだために夢が破れた竜之助は、こんしんからの深い息をついて、痛む傷を押えようともせずに、見えない眼を見開きました。