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だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠7(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 242,044 字 · 477 頁
「わしは、そうは思わない、本多はやはり不幸な男だ、不幸な程度においては坂崎に劣らない」
といいました。
「どう致しまして、あなた、本多様がお不仕合せなら、この世に殿方の果報というものはござりませぬ。何しろ、豊臣大納言様のもとの奥方に思われて……命がけでお救い申し上げた殿御を、振りつけて、そうして思う存分に、絵に描いた美男美女の御夫婦仲……それに天樹院様のお化粧料が十万石……」
「本多はそれがために三十一で夭死をしてしまった」
「え?」
婆さんがギョッとしたようです。天樹院の墓の下から、小さな蛇が一匹現われました。
「つまり天樹院は豊臣秀頼を殺し、坂崎出羽を殺し、本多忠刻を殺し……」
その時です、駒井甚三郎の胸をつんざいたのは――現在、自分をうらんで去った自分の妻が、どこかにおいて、この天樹院とおなじような乱行の生涯を送っているのではないか。
果報者の本多忠刻を、三十一歳で夭死をさせた後の爛熟しきった若い未亡人の乱行。
それは今の世までもうたわれて、淫蕩の標本とされている。天樹院とても、淫蕩そのもののために特にこの世につかわされた女でもあるまいし、徳川の宗族だからといって、天樹院に限って、その乱行を是認するという制度もあるまいが、あの女性としては、淫蕩と乱行とに半生を使いつぶすことのほかには、生きる道を知らなかったれ