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てんのう
天皇
蜷川 新
線上閱讀蜷川 新《天皇(てんのう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 136,036 字 · 269 頁
その一族は、いずれもみな、自家本位の人びとであった。彼らは、その女子を幾人も宮中の女官にして、天皇に側近せしめ、皇后、中宮、女御などの美名をつけ、声色をもって天皇をもてあそび、天皇の近親となり、天皇は、あたかも藤原氏の婿のようなものとなった。藤原氏は、その一族をもって官位を独占し、摂政の名により、権力をその手に握った。藤原氏こそは、天皇の権力を、自家に奪ったものといえるのである。藤原時代の天皇は、国の元首ではなかった。
藤原氏は、西暦八五八年から三百九年間にわたって、日本の権力を握った。しかし、すぐれた人物は出なかった。道長は、「この世をばわが世とぞ思う」と歌った。権力独占の事実を、後人に告白している。藤原氏の世は乱れた。地方に住まっていた源氏や平家は、かくて必然に、その勢力を得てきたのである。
西暦一一六七年、平清盛は、太政大臣を辞し、一僧侶となった。そうして権力を握るにいたった。その権力は十八年間つづいた。清盛は、法皇を鳥羽殿に押しこめた。清盛は、天皇の権力を奪ったのではない。藤原氏の有していた権力を奪いとったのである。
つぎに、一一八〇年、源頼朝は父義朝の仇をうつために、伊豆に兵を挙げて平家に反抗した。