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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁
こちらのふたりは、それに気づくと、おもわず、ギョッとして、手をゆるめました。
そのすきに、怪物は、ふたりをつきはなして、パッと立ちあがり、いきなり、むこうへかけだしていきます。
そして、このあいだのばん、少年探偵団員たちが見たのと、おなじことが、おこりました。
墓場のおくに林があって、そのなかに一本の大きなスギの木が、そびえていました。十メートルもある大きな木です。そのスギの木の下に、黒シャツをぬいだ全身銀色の人間が、こちらをむいて、つっ立っているではありませんか。でっかいまっ赤な目、火を吹きだしそうな、大きな赤い口、その口が、あいたりふさいだりして、ケラ、ケラ、ケラ……と、笑っているのです。
全身銀色にかがやく、恐ろしいすがたを見ては、こちらのふたりも、きゅうに近よる勇気がありません。
いったい、この銀色のやつは、何者でしょう。人間か、動物か、それとも、遠くの星から地球へやってきた、別世界のいきものか?
まもなく、いっそう、へんてこなことがおこりました。銀色のやつが、空へ、のぼっていくのです。スギの木の幹を、よじのぼるのではありません。葉のしげった表面を、スーッとのぼっていくのです。