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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁

青空文庫

ふたりの明智小五郎

ふたりの明智小五郎

小林少年は、ふしぎな西洋館の門の中へしのびこんで、建物のまわりを、ぐるっと、回ってみました。

すると、うら庭にめんした一階の部屋の窓から、電灯の光がさしていましたので、そっと、窓から中をのぞいてみますと、その部屋に、さっきの明智探偵が、ひとりで立っているのが見えました。

りっぱな部屋です。むこうの壁に、大きな鏡がはめこみになっています。高さ一メートル半もある細ながい鏡です。

明智探偵は、その大鏡の前に立って、じぶんのすがたをながめながら、ひとりごとをいっていました。

「おれの変装のうでまえは、たいしたもんだなあ。あの小林でさえ、見やぶることができなかったんだからなあ。ウフフフフ……、大どろぼうが名探偵に化けて、宝物の番をしたんだ。さすがの小林も刑事たちも、この手には気がつかなかったて。ウフフフフ……。」

鏡の中のじぶんのすがたに笑いかけながら、大とくいのようです。

それを聞くと、こじき少年の小林君は、そっと窓をはなれて、おおいそぎで門の外にかけだし、近くの公衆電話をさがして、その中にとびこみました。

そして、どこかへ電話をかけると、またもとの西洋館にもどったのですが、小林君のことは、ここまでにしておいて、こんどは、西洋館の中のにせ明智探偵のほうから、お話をすすめることにします。