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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁
魔法の名刺
ことに東京の人は、ま夜中に、その恐ろしい銀色のやつが、じぶんのうちのまわりを、うろうろしているのではないかと、みんな、びくびくものでした。
それは、人工衛星がうちあげられ、空とぶ円盤の話が、またやかましくなっているころでしたから、銀色の怪物も、どこかの星からの使いではないかと、きみのわるいうわさが、ひろがったほどです。
魔法の名刺
夜光人間、夜光怪人のうわさは、もう日本じゅうに、ひろがっていました。東京や大阪の大新聞はもちろん、どんないなかの新聞までも、この恐ろしい怪物のことを、でかでかと書きたてたからです。
顔も、からだも、青白い銀色に光る人間、目はふつうの人間の三倍もある大きさで、それがまっ赤にかがやき、口の中も赤くもえて、いまにも火を吹きだしそうな怪物。
その首ばかりが、宙に浮いたり、ときには銀色の全身を見せたりして、東京のほうぼうに、すがたをあらわし、東京じゅうの人を、ふるえあがらせたのです。
この怪物は、つかまえようとすると、高い木の上へ、するするとのぼって、そのまま、空中へ消えうせてしまいます。ひょっとしたら、こいつは、遠い星の世界からやってきた、えたいのしれぬ生きものではないのでしょうか。