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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁

青空文庫

」

上山さんは、もとの席にもどって、自信ありげにいうのでした。

そのときです。

「アッ!」

と叫んで、小林少年が、いすから立ちあがりました。そして、むこうの窓を見つめています。

みんなが、そのほうを見ました。

窓ガラスのすぐむこうがわに、夜光の首が、さかさまに、さがっているではありませんか。

まっ赤な口が上になり、まっ赤な目が下についています。二階からぶらさがって、顔だけで、窓の上のほうからのぞいているのです。

「よしッ、ピストルで、うちころしてやる。」

上山さんは、デスクのところへ走っていって、そのひきだしからピストルをとりだすと、いきなり窓の首にむかって、ひきがねをひきました。

ガチャンと恐ろしい音がして、窓ガラスがわれ、そこに大きな穴があきましたが、夜光の首は、スウッと上のほうへかくれてしまって、べつに、きずついたようすもありません。

部屋の中の四人は、身動きもしないで立ちつくしていました。

そのとき、

「ケ、ケ、ケ、ケ、ケ……。」

という、あやしい鳥のなき声のようなものが聞こえてきました。

「アッ、あすこだッ!」

小林君が叫びました。

まっ暗な庭の木立ちのあいだを、夜光の首が、飛んでいるのです。