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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《奇面城の秘密/夜光人間(きめんじょうのひみつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 150,254 字 · 300 頁

青空文庫

そのうまかったこと。ポケット小僧は生まれてから、こんなうまいものをたべたことがないと思いました。

すっかりたべてしまうと、また廊下にでて、こっそりドアのかぎ穴をのぞいてまわりました。ゆうべの美術館はからっぽでした。四十面相の部下が五、六人も集まって、食事をしている部屋もありました。まっ暗で、なにも見えない部屋もありました。

ある部屋では、まるで発電所のように、大きなかまのなかで石炭がもえ、発電機がまわっていました。

「ああ、そうだ。こんな山の中に電灯線がきているはずはない。じゃあ、ここでつかっている電気は、みんなじぶんでおこしているんだな。さっきビーフステーキをやいていたのも、電熱器のようだったぞ。わああ、おったまげた。四十面相のやつ、じぶんで電気をおこしていやあがる。」

ポケット小僧は、その大じかけに、びっくりしてしまったのです。

なおもまわり歩いているうちに、とうとう、四十面相のいる部屋を見つけました。

かぎ穴からのぞくと、その部屋も、おそろしくりっぱにかざりつけてありました。いすも、テーブルも、壁も、カーテンも、すっかり金ぴかなのです。ほんとうの金かどうかはわかりませんが、まるで、仏壇の中のように、金色にかがやいているのです。