輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《季節のない街(きせつのないまち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 201,379 字 · 394 頁
とたんば老人はタバコの煙をみつめながら云った、「たぶん、きわどい生活をしているからだろうが、どこかにぎらっとするようなものが感じられたね、しかし、それほど悪い男だとは思わなかった、なんだか気の弱い、人みしりをする性分のようにみえたがね」
「みかけだけじゃなく、することも云うこともそんなふうです」と辰弥が云った、「大きな声をだしたり、乱暴したりするようなことはありません、やさしい声でゆっくり話しますし、いつでも自分が悪いとか、みんなに済まないとか云って、すぐに涙をこぼすくらいです、それがあにきの手なんですから」
老人は火鉢のふちでキセルをはたき、火箸を取って、キセルの火皿をほじくった。
「ずっと昔のことだがね」と老人が静かに云った、「私の知りあいにひとり変った男がいた、かなり大きな商店の主人で、女中も三人、店の者もひところは十人以上使っていたかね」
その男は人使いが荒く、朝から晩まで口小言が絶えなかった。自分はなにもしないで、台所から店の内外まで、見てまわっては小言を云う、妻にも子供にも遠慮をしない。落語の小言幸兵衛はその男をモデルにしたのではないか、と思われるほどであった。