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がくもんのすすめ

学問のすすめ

福沢 諭吉

線上閱讀福沢 諭吉《学問のすすめ(がくもんのすすめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 87,080 字 · 170 頁

青空文庫

第一 節を屈して政府に従うははなはだよろしからず。人たる者は天の正道に従うをもって職分とす。しかるにその節を屈して政府人造の悪法に従うは、人たるの職分を破るものと言うべし。かつひとたび節を屈して不正の法に従うときは、後世子孫に悪例を遺して天下一般の弊風を醸しなすべし。古来日本にても愚民の上に暴政府ありて、政府虚威を逞しゅうすれば人民はこれに震い恐れ、あるいは政府の処置を見て現に無理とは思いながら、事の理非を明らかに述べなば必ずその怒りに触れ、後日に至りて暗に役人らに窘しめらるることあらんを恐れて言うべきことをも言うものなし。その後日の恐れとは俗にいわゆる犬の糞でかたきなるものにて、人民はひたすらこの犬の糞を憚り、いかなる無理にても政府の命には従うべきものと心得て、世上一般の気風をなし、ついに今日の浅ましき有様に陥りたるなり。すなわちこれ人民の節を屈して禍を後世に残したる一例と言うべし。

第二 力をもって政府に敵対するはもとより一人の能くするところにあらず、必ず徒党を結ばざるべからず。すなわちこれ内乱の師なり。けっしてこれを上策というべからず。すでに師を起こして政府に敵するときは、事の理非曲直はしばらく論ぜずして、ただ力の強弱のみを比較せざるべからず。