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よせのぼつらく
寄席の没落
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《寄席の没落(よせのぼつらく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,654 字 · 4 頁
「おっとごまかす、外聞の悪いことを云ってもらいますまい、これでも岡吉の米と云やぁ、ちっとばかし人様にも知られた男ですぜ、いくら叔父だからって、そんな云いがかりをつけられちゃ、腹の虫が納まらねえや、さあ出せ、証書を出せ」
叔父は米の権幕がすごいので、こんな時に云ってもいけないと思ったので、其の日はもう何も云わないで帰って、日を更めて往ったが、米は不知をきって頭から対手にしなかった。信じきっていた甥に大金をたばかられた叔父は、口惜しくってたまらなかった。そこで叔父は最後の決心をして、もう一度強硬なかけあいに往った。それはちょうど日没で、米は岡吉の木戸に坐っていた。二人の間にはいつものような口論がはじまった。米は例によってさんざん毒づいた結果、客商売に坊主は縁起が悪いと云って戸外へ突出し、下足番に言いつけて叔父の頭へ塩を撒かした。
その翌日のことであった。米が朝起きて顔を洗っていると、町内の白木と云う材木屋の小僧が顔色を変えて駈けこんで来た。
「頭、大変だ、お店の軒下に縊死人があるのだ、すぐ来ておくんなさい」
「そうか、すぐ往く」
米は羽織を引っかけながら小僧の後を追うた。