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えいがじだい
寺田寅彦随筆集 第二巻
寺田 寅彦
線上閱讀寺田 寅彦《寺田寅彦随筆集 第二巻(えいがじだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 207,099 字 · 419 頁
ここで彼は生物がいかにして無機物から生じうるかを説明せんと試みている。後条で精神の元子を論ずるのであるからここでそういう議論は必要がなさそうにも思われるが、しかしここでは心や精神と切り離して感覚を考えているらしい。それはとにかく、感覚を有するものの素成元子は感覚を有すべきだとする事は必要としない。むしろありとするほうが不合理だとする彼の所説にはかなり重要な意義を含蓄しているように思われる。結局はこれもやはり前にたびたび繰り返した、物質と生命との間の「見失われた鎖環」に関する考察の一端である。平たく言えば、もし元子が生物のごときまとまった感覚をもつとしたら、それの集合したものがいかにして一つのまとまった感覚を持ちうるかという考えであると読まれる。
その次に、生物がはげしい衝撃を受けると肉体と精神との結合が破れて後者が前者の孔から逃げ出すというような考えから、苦痛や快楽の物質的説明を試み、「笑いの元子」などというものはないと言ったりしている。このへんの所説はしかし私の今の立場から詳説すべき範囲外にあるからすべて省略する事とする。
これらの所説は畢竟するに人間霊魂非不滅論に導くべき前提としてルクレチウスのかなり力こぶを入れているところであるらしく見える。