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しょうらいのにほん

将来の日本

徳富 蘇峰

線上閱讀徳富 蘇峰《将来の日本(しょうらいのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,399 字 · 240 頁

青空文庫

かの経済学士セイ氏いえることあり。「およそこの二百年間において欧州の政治家がこれらの妄想より、すなわち貿易上の利を争うよりして戦争に従事したるものおよそ五十年に下らず」と。けだしかの偏僻の論、邪妄の主義のごとく世を禍するものはあらず。人あにみずから好んで悪をなさんや。しかしてかくのごとき禍害を社会に及ぼすゆえんのものは、ただそのなすところのものを善なりとし、その当を得たりとし、ついに死に至るまでみずから知らざるに坐するのみ。あに嘆ぜざるべけんや。すでにこれらの諸名士にしてなおかくのごとし。滔々たる世俗の流輩が重金説・保護主義・専売主義等に心酔したるももとよりうべなりというべし。

勢い極まれば必ず変ず。欧州の政治家らがその妄迷の政略をもってその人民を困しめ、その邦家を悩まし、かの百姓をして、「挙って首を疾まし、額を蹙め、しかして相告げて曰く。わが王わが宰相の奪掠を好む。それなんぞ我をしてこの極に至らしむるや。父子相見ず。兄弟妻子離散す」といわんばかりの極点に達せしめたるに、幸いなるかな欧州人民は初めてここに経済世界の新主義を説法するの救世主に遭遇したり。