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しょうらいのにほん
将来の日本
徳富 蘇峰
線上閱讀徳富 蘇峰《将来の日本(しょうらいのにほん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 122,399 字 · 240 頁
第八回 平民主義の運動 一(第二 社会自然の大勢より論ず)
ああわが同胞人民よ。記憶せよ。わが四隣の境遇は実にかくのごときのありさまなることを。
第八回 平民主義の運動 一(第二 社会自然の大勢より論ず)
天地は万物の逆旅にして光陰は百代の過客なり。しかしてこの光陰の大潮流とともに世界の表面に発出する人事の現象はおのずから運転変動せざるべからざるものあり。しかしてその変動なるものはおのずから社会自然の大勢のために支配せらるるものあるを見るなり。
試みに見よ。上古において光彩燦爛、世界の舞台を装うたる貴族的の現象は今いずくにある。看よ。その一半はすでに凋落し去り、視聴の世界を去り、すでに記憶の世界に入りしにあらずや。しかしてそのわずかに生存するものとても痩歩蹣跚すでにその片足をば墓中に投じたるにあらずや。これに反しかの平民的の現象なるものは、あたかも一夜のうちに富士の高山が地面より湧出したるがごとく、第十九世紀の世界に突兀として聳え来たりたるにあらずや。けだし貴族的の現象すでに去りて平民的の現象まさに来たらんとするはこれ歴史上の一大事実なり。すでに事実なり必ずそのしかるゆえんのものあらざるべからず。
そもそも社会を組織するの分子は、実に雑駁なるものなれば、その運動のごときも決して単純の法則のみにて支配せらるべきものにあらざるはもとより論をまたず。