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ならしげざっぴつ
小出楢重随筆集
小出 楢重
線上閱讀小出 楢重《小出楢重随筆集(ならしげざっぴつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 334,351 字 · 657 頁
大阪ぼんちが泥棒ごっこをして遊んでいるようだった。見ている間は寒気を感じつづけた。
東京で私は忠臣蔵の茶屋場を見た。役者は全部東京弁で演じていた。従ってその一力楼は、京都でなく両国の川べりであるらしい気がした。しかしそんな事が芝居としては問題にもならず、何かさらさらとして意気な忠臣蔵だと思えただけであった。一力楼は本籍を東京へ移してしまった訳である。
大阪役者が三人吉三をやる時にも、一層の事、本籍を大阪へ移してからやればいいと思う。
もしも、大阪弁を使う弁天小僧や直侍が現れたら、随分面白い事だろうと思う。その極めて歯切れの悪い、深刻でネチネチとした、粘着力のある気前えのよくない、慾張りで、しみたれた泥棒が三人生れたりするかも知れない。それならまたそれで一つの存在として見ていられるかと思う。
先ず芝居や歌とかいうものは、言葉の違いからかえって地方色が出て、甚だ面白いというものであるが、日本の現代に生れたわれわれが、日常に使う言葉はあまり地方色の濃厚な事は昔と違って不便であり、あまり喜ばれないのである。
標準語が定められ、読本があり、作文がある今日、相当教養あるものが、何かのあいさつや講演をするのに持って生れた大阪弁をそのまま出しては、立派な説も笑いの種となる事が多い。