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こざくらひめものがたり

小桜姫物語

浅野 和三郎

線上閱讀浅野 和三郎《小桜姫物語(こざくらひめものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 136,097 字 · 267 頁

青空文庫

私が三浦家への嫁入りにつきましては別に深い仔細はございませぬ。良人は私の父が見込んだのでございます。『たのもしい人物じゃ。あれより外にそちが良人と冊くべきものはない……』ただそれっきりの事柄で、私はおとなしく父の仰せに服従したまででございます。現代の人達から頭脳が古いと思われるか存じませぬが、古いにも、新らしいにも、それがその時代の女の道だったのでございます。そして父のつもりでは、私達夫婦の間に男児が生れたら、その一人を大江家の相続者に貰い受ける下心だったらしいのでございます。

見合いでございますか……それは矢張り見合いもいたしました。良人の方から実家へ訪ねてまいったように記憶して居ります。今も昔も同じこと、私は両親から召ばれて挨拶に出たのでございます。その頃良人はまだ若うございました。たしか二十五歳、横縦揃った、筋骨の逞ましい大柄の男子で、色は余り白い方ではありません。目鼻立尋常、髭はなく、どちらかといえば面長で、眼尻の釣った、きりっとした容貌の人でした。ナニ歴史に八十人力の荒武者と記してある……ホホホホ良人はそんな怪物ではございません。弓馬の道に身を入れる、武張った人ではございましたが、八十人力などというのは嘘でございます。