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こさかいふぼくしスケッチ

小酒井不木氏スケッチ

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《小酒井不木氏スケッチ(こさかいふぼくしスケッチ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,809 字 · 12 頁

青空文庫

「まあ然ういう独善主義は止めて、一度大道で商売って見給え。案外高貴性は失われないよ。もし又大道で商売った為に、ほんとに高貴性が失われるようなら、それは買手の罪では無く、その知識や芸術が、時代錯誤をしていたからさ。罪は却って高踏派にあるよ」と。尚私は進言する。「人間に関係ある一切の物は、大道商売をすることに由って、真価を発揮することが出来るのだよ」と。更に私はこんなようにも云う。「特に高踏派に属するものは、大道に商売う必要があるよ。いかに今日の大衆なるものが智的に情操的に進歩しているか、それを知ることが出来ようからね」と。

氏のこぢんまりした書斎の中に、二つストーブのあるということは、探偵小説の材料にはならない。至極簡単に、解釈出来る。寒気を厭われるからである。で、石炭ストーブが、書斎を暖めるに間に合わない時は、瓦斯ストーブで暖めるらしい。それほど寒気を厭われる氏も、訪問者の体質を懸念して、時々自分を犠牲にされる。私はバセドー氏病の持主として、厳寒中にも発汗する。ポカポカと暖い氏の書斎は、その点に於ては苦手とも云える。で氏は話し中斯う云われる。

「大分暑いじゃあありませんか。