輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あきかぜとはは
尾崎士郎短篇集
尾崎 士郎
線上閱讀尾崎 士郎《尾崎士郎短篇集(あきかぜとはは)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 108,032 字 · 216 頁
彼の作句を集めた和綴の本が二冊、わたしの家の二階の書物棚の上に古雑誌とともに積み重ねてあったが、それ等も何時の間にか多くの反古とともに紙屑屋にでも売られてしまったのであろう。中学を卒業する頃、わたしが思い立って探したときには最早何処にも見当らなかった。
叔父の死後、彼の家には毎夜のように一人の若後家をとりまいて町の男たちが集った。その噂が伝わると父は叔母がわたしの家に出入することを禁じてしまった。叔母はわたしの家に来なくなった。しかし、彼女の消息については誰れからともなく伝わってきた。彼女がある男と岡崎の町に逃げ落ちてそこの小さい宿屋で女中奉公をしていること、やがて、その男ともわかれて淫売婦のような生活をしていること、しかし、間もなく新しい男が出来て名古屋のある場末の街に小さい菓子店を開いていること――その噂の一つ一つが流れ寄ってくるごとに父は何か不潔なものにでも触れるような顔をした。だが、数年の後、叔母は再びわたしの町へ戻ってきていた。ある秋の夜、わたしはその時中学の二年生であったが、町の祭りの日がちょうど日曜にあたっていたのでその前の夜から帰省していたのだ――わたしは一人で雑沓の中を歩いていた。