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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
線上閱讀木暮 理太郎《山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 頁
文化年中(多分六、七年頃であったように思う)越後の米を江戸に輸送する為に、舟運の許す限り上流まで、魚沼川と利根川とを利用し、清水峠を開鑿して、二者を聯絡しようと企てたものがあった。開鑿といっても車と迄はゆかず、単に牛馬を通ずるに足る路を作る程度のものであったらしい。其詳細はもとより実際工事に着手したか否かも不明であるが、其時代の状態から推せば、これが実現は不可能であったろう。唯開鑿の道筋というのが、どうも湯檜曾谷ではなく、笠ヶ岳の長い尾根に沿い、南下して利根河畔に達する計画だったように思えるので、『藤原温泉記行』にいう粟沢あたりへ越す道というのも、此尾根筋にあって、それを改修して用に充てようと目論だのではないかという考が起った。『郡村誌』に越後への山径というのも、或は之を指したものであるかも知れないし、或は其一派であるかも知れない。そうとすれば昔は或期間だけこれが清水越の道であったことも想像され、又謙信が通ったことがないとはいえない。しかし私はまだ疑を抱いている。『富士見十三州図』や『利根川図志』の挿図には、藤原の手前から大小烏帽子の間に向けて、途中まで路が書き入れてあるが、これは明に宝川温泉への道であるべきものが誤記されたものであるというを憚らない。