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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

線上閱讀木暮 理太郎《山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 284,014 字 · 565 頁

青空文庫

水源と文殊岩

上述のような次第で実際私の跋渉した部分は甚だ少く、其余の宝川笠ヶ岳から小沢岳に至る上越国境山脈や、片品水上二村の界をなす山脈及この両山脈から派出する幾多の支山脈に就ては、更に知る所がないというてよいのである。是等は他日蹈査の上増補する考であるが、其中の若干は地誌や絵図の類に拠って、其梗概だけでも述べて置くことにした。

水源と文殊岩

利根川の名は早く既に『万葉集』に顕れているが、其水源に就て多少なりとも説明の筆を下しているものは、恐らく『義経記』が最初ではあるまいか。『義経記』の著者は不明である、従って著作の年代も知ることを得ない。されど大略足利時代の初期の作であろうという説が一般に信じられているようである。

爰に坂東に名を得たる大河一つあり、此河の水上は上野国利根の庄藤原といふ所より落ちて水上遠し、末に下りて在五中将の隅田川とぞ名付けたる。

利根川がまだ東京湾に注いでいた頃で、其時は荒川も今の元荒川の水路を流れて、越ヶ谷附近で利根川に入り、荒川の現水路は入間川の河身であったから、末は在五中将の隅田川というたのである。尭恵法師の『北国記行』にも「利根入間の二川落合へる所にかの古き渡りあり」