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どうじ

文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子

室生 犀星

線上閱讀室生 犀星《文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子(どうじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 177,454 字 · 357 頁

青空文庫

「わたしもそう思っていたんです。」

手頼りにならない気がして、私は樋口さんをぼんやり眺めた。急にきたと云えば急だったし、ゆっくり来たといえば、ずっとさきからこの傾きがあったのだ。が、私はいつもの発作だから大したことはあるまいと思っていた。

写野さんの電話が通じないので、使を出したのが四時ころで、外出していて急の間にあわないらしかった。私だちは苛々した。樋口さんも手のつけようもないらしく、一ト先ず帰って、電話で打合せをしてから、一しょに来ると云った。

夕方、客があり話していると、妻は、私を呼んだ。その声はいつもより違っているので、飛んで行った。そのとき赤児は、第三回目の劇しい咳と引息で鵞のように泣いた。ガアガアアアと息をあえいだ。

「どんなに苦しいか知れない。」

私はひとり言をいい、そして手のつけようもなかった。

「医者が来ない。困った。」

私だちは、腹のなかまであぶらを流す思いをつづけた。晩の八時になった。何という変りようであろう、赤児は、もう床にはいったまま、いつもそうする子でないのに、おとなしくぐったりしていた。私はからだじゅうの毛あなに、ぞくぞくする懸命な異体のわからない昂奮をかんじた。