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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《新宝島(しんたからじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 頁
哲雄君が考え考え答えました。
「下の方へって、じゃ僕たちは地球の中心の方へ流されているわけなんだね。このまま、地球の真中へ吸いこまれてしまうんじゃないだろうか」
保君がべそをかいたような声で、とっぴなことをいい出しました。でも、保君を笑ってはいけません。誰だって、この時の三人のような境遇になれば、普通では想像もつかない恐しいことを、考え出すにちがいないのです。
「ハハハハハハハハ」
一郎君と保君とが、声をそろえて笑いました。しかし、それはさびしい笑声でした。
「まさか、そんなことはないよ。でもね、考えてみると、一つだけ、恐しいことがあるんだよ」
哲雄君の声が、云おうかいうまいかと、ためらうような調子で聞えました。
「エ、恐しいことって? 何さ? いってごらん。早く、いってごらん」
保君のおびえきった声です。
「それはね……」
哲雄君はなぜかいいしぶっています。
「エ、それは何さ?」
「この流の先が滝になってやしないかということだよ」
「エ、滝?」
「ア、そうだ、そうかもしれない」
豪胆な一郎君までが、びっくりしたように声をあげました。
かならず滝になっているときまったわけではありませんが、しかし、そうでないといいきることも出来ません。