輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《新宝島(しんたからじま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 99,590 字 · 197 頁
ちょっと手をのばすと、筏の外には氷のように冷たい水がありました。しかし、ふしぎなことには、その水が少しも流れていないのです。まるで古沼かなんぞのように、不気味に静まりかえっているのです。
水があるとわかると、一郎君はすぐその方へ首をのばして、まるで犬が水を飲むように、その黒い冷たい水を、思うさま飲みました。それほどのどがかわいていたのです。
そうして、やっと人心地がつきますと、はだかになっているからだ中がひりひりと痛むのに気づきました。直接火の柱にさわったわけではありませんけれど、そのそばを通ったので、やけどをしていたのです。
そこで、手で水をすくっては、からだの痛むところをぬらしましたが、だんだん気持がハッキリして来るにつれて、心配になるのは保君と哲雄君のことでした。
「保君……哲雄君……」
一郎君は闇の中へ声をかけながら、筏の上をはって、手さぐりをしました。すると、ちょうどその時、保君が正気にかえって、身動きしているのにぶっつかりました。
つづいて、哲雄君も正気づいた様子なので、一郎君は、まず何よりも、二人に水を飲むことをすすめました。
二人が筏のはじへ這って行って、たらふく水を飲み、やけどの手あてなどをしたあとで、三人は、お互の顔も見えぬ闇の中で、手を取りあって、命の助ったことを喜びあいました。