輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,353 字 · 371 頁

青空文庫

「治郎左衛門どの。あなたに対して、藤吉郎、真に申しわけのない立場になった。死をもってお詫びする所存であるが」

と、ただ二人きりとなって、人なき一室で、藤吉郎はこう彼にはなした。

「自分は、主君信長様におかれても、必ず自分同様の気もちで、喜んで貴公をお味方に迎えてくれるものと信じ――かくの如くお誘い申したが――主君の貴殿に対するお考えはまるで違っていた」

嘆息と共に、彼は吐き出して云った。

そしてその後を、ややしばし、沈湎とさしうつ向いているのだった。

治郎左衛門も、信長と会って、あまり信長の感じがよくなかったことは、自分でも覚っていたので、

「ひどく、ご当惑らしいが、一体どうしたわけでござるか。治郎左衛門も決して、強いて信長殿の禄を喰まねば生きてゆけぬというわけではなし、お気軽く打ち明けてもらいたい」

「実は……それだけならよろしいが」

藤吉郎は、口渋っていたが、急に肚を決めたように、膝を改めて、

「――いや、なにもかも、底を割って、おはなし申してしまおう。こういうわけだ、治郎左衛門どの。それがしが立ち帰る折、主君信長様には、密かに自分を一室へ召されて、藤吉郎、そちは兵法の反間苦肉ということを知らぬな、というお叱言なのだ。