輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
ちょうど夜明けの寅の下刻(五時)頃から戦端は開かれていたので、新手新手と代えても、甲軍は兵馬共にりんりたる汗と気息の疲れにつつまれていた。
朝の血しおは、具足の革にも、髪の毛にも皮膚にも、もう膠のように乾いていた。しかもなお次々と、新しい鮮血をあたりに見るばかりであった。
「跡部大炊も出よ。甘利、小笠原、菅沼、高坂の諸隊も、今ぞ、こぞって前へ進め」
中軍の勝頼は、夜叉王のように怒号していた。そして、万一に備えておいた予備隊まで、ことごとく前面へ押し出したのである。
勝頼が早く悟れば、一部の損害ですんだかも知れない小過を、かくて刻々と自身、大過へ運んで行った。
要するに、これはもう単なる士気や勇気の問題ではない。信長、家康の方では、ちょうど猟場に罠を設けて、鴨や猪のかかるのを待っているのと同じだった。それへ猛撃する甲軍は、いくら指揮の声を嗄らしてみても、いたずらに、惜しむべき将士を、効果なく死楯としてしまうだけに過ぎない。
可惜といえば……朝から左翼で善戦していた信玄以来の股肱の将、山県昌景もはや戦死したと聞え渡った。
そのほか、名ある侍、譜代の勇将が、続々と斃れてゆき、全諸部隊の死傷は、半分以上にのぼった。