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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
わけて、謙信は、
「安土は、越後から京都の道を遮断した」
と、すら考えた。
謙信の意図も、もちろん中央にある。
時さえ得れば、直ちにも、越山をこえて、湖北に出、一挙、中原に旗をたてようと志しているのである。
当然、謙信としては、安からぬ思いがしたろう。
ところへ、久しく、消息のたえていた前将軍の足利義昭が、こまごまと密書のうちに、近況を知らして来た。
それには、
(安土の城廓は、外見だけはあらましできたようなものの、実体内容までの完成には、すくなくもまだ二年半はかかる。あれが完成しては、もはや越後と京都の道はないといっていい。討つならいまが絶好の機)
と、けしかけ、さらに、
(――自分はその後、諸国をめぐって、あらゆる反信長圏の連繋に成功した。中国の毛利どのもこれに加盟した。あとは、多年の宿望たる相模の北条、甲斐の武田、越後の御当家――こう三国一和の包囲圏を結成することにある。それにはまず貴国が盟主としてまっ先に奮い起ってくれなければ成就の見込みはない)
などと誌し、亡命しても相かわらず、策謀趣味を捨てない義昭の本領を遺憾なくあらわしていた。
「この雀、百まで踊るつもりか」