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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁

青空文庫

秋茄子

どうだ、ところで楼上へあがって、一杯やろうか」

と、いって、また、からからと哄笑した。

秋茄子

この頃、良人の秀吉は、すこし寝坊癖がついたらしい。

朝な朝な、寧子が良人の顔を見るのは、いつも陽が高くなってからである。

老母も、時折、

「近ごろ、あの子は、どうぞしているのではないか」

などと心配そうに、寧子へたずねた。

寧子も、そのたび、返辞に困った。

寝坊の原因は、毎晩のように、酒をすごすからである。奥で、家庭的に飲むときは、小さな杯で四、五杯ものむと、すぐ真っ赤になって、飯をいそぐ良人も、家臣の猛者をあつめて賑わい立つと、夜の更けるのも忘れて飲む。

そのあげくは、うたた寝してしまったり、小姓部屋の中で、小姓たちと共に寝てしまったり――。また、或る夜のごときは、何かのことで、彼女がふと大廊下を伝わって来ると、松の丸のほうへ通う橋廊下のうえを、ひとりの男がのそのそと渡りかけてゆく。

どうも、良人の影に似ているので、彼女が作り声を出して、

「これこれ。そこを渡るは何者じゃ」

と、呼びかけると、

「これは」

と、驚いて振向いた良人は、小舞を舞うような恰好して、狼狽をかくしながら、