輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《新書太閤記(しんしょたいこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 197,228 字 · 394 頁
と、いった。
官兵衛は、にことして、
「いや、重治どののお国許にある限りは、松寿丸の身には何の心配もありません。ほとんど考えたこともないくらいです」
「でも。……折には、大きゅうなられた和子の姿を、見たいと思われることもあろうに」
「親ごころ、それだけは、いくら戦陣にある身でも、時々、思い出しますな」
それから二人して、しばしは、子どもの話が交わされた。まだ実子のない秀吉には、人の子の親と親とのはなしは、ただ、羨ましげに聞いているしかなかった。
松寿丸――後の黒田長政――は官兵衛孝高の嫡子であるが、夙に、官兵衛が将来を察して、款を信長に通じたときから、その子を、質子として、信長にさし出してあった。
信長は、質子を、竹中半兵衛に預けた。半兵衛はその郷土でもあり領地でもある不破郡の岩手城に送って、わが子のように、育てていた。
秀吉を中心に、官兵衛と半兵衛とは、こういう情誼からも結ばれていた。だからその智謀の将たる点では、非常に相似ているものを持ちあいながら、この二人が、功名や地位を争って啀みあうようなことは少しもない。両雄ならび立たずということばも、秀吉の帷幕では、実証されないことだった。