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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
役者の似顔絵で知られていた絵双紙やの、人形町の具足屋では、「名物人気揃」と題して、人情咄の名人三遊亭円朝や、大阪初登り越路太夫(後の摂津大掾)とならべて綾之助の似顔を摺りだした。
――綾ちゃんは今年十二だが大人も跣足の巧者で真に麒麟児だね――
との小書きがつけてあった。
そうするうちに五分刈の綾之助は稚子髷になった。また男髷になった。十四、十五と花の莟は、花の盛りに近づいていった。明治廿三年には十六歳となった。女義界の綾之助は桜にたとえられた。それと同時にこれも売出しの若手に越子は藤の花、やはり男髷の小土佐は桃の花と呼ばれ、互に妍を競い人気を争った。学生の仲間にも贔屓がつくる各党派があった。綾之助党は三田の慶応義塾と芝の攻玉舎の生徒が牛耳をとっていた。それが今日の堂摺連の元祖である。
聞くところによると三田の堂摺連の元祖は、同塾の秀才であった坂本易徳氏だということである。氏はいまこそ文壇のよたをもって名が通り、紅蓮洞の名は名物とされているが、狷介不羈、世を拗ねたぐれさん以前にも、新派劇、女優劇と、何処の芝居の楽屋にも姿を現す、後日の素質は含蓄されていたものと見えて、この人が綾之助を三田党の随喜渇仰の的に推称したということである。