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あゆむ

日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)

戸田 豊子

線上閱讀戸田 豊子《日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)(あゆむ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,183 字 · 44 頁

青空文庫

出掛なくてはならなかった。(あの娘に辞めてくれという話ですが……)今度は笑って誰も取合なかった。

「百貨店は空気が悪いから――そりゃ、よかったわ、ガソリンガールにね……」

――路地を出るとき、兄かな、と思った、よく似ていたが異う人だった。腕を振って大跨に歩いて行った。

宿へ帰ると、お内儀さんが、

「兄さんがお見えになっておりましたよ、朝方ちょっと――」

とも子はチッと舌打をした。

机の上は堆い塵であった。争議に関する郷里の新聞が来ていた。

「小作人の覚悟は実に真に悲壮なもので」

という所から声を立てて読み上げた。

「今回の判決に従うことは生命とも言うべき田を取上げられ、小作料はとられ、更に訴訟費用まで支払わねばならず殆んど生きたまま埋められるも同じである、どうせ死ぬのならば死を以て対抗する」

「地主側を擁護する暴力団と争議団の衝突――××日朝争議団は決議文を携え地主の家へ押しかけんとして路上警官と小競合を演じそのとき何者か警鐘を乱打したので消防組が出動しあわや一騒動起らんとしたが――、

「××日午前九時頃争議団が事務所に於て対策協議中、突如、警察署長の率いた警官隊が事務所を襲い、――争議団幹部数名を検束せんとしたところから警官と争議団と入乱れて格闘し炉にあった燃えさしの薪をもって警官に渡り合い、――大乱闘を演じた。