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あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

線上閱讀菊池 寛《日本合戦譚(あねがわのかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 頁

青空文庫

行長と清正とが一番乗りを争って、清正が勝ったと云う話は伝説である。三番隊以下の後続部隊も日を隔てて次々に上陸した。先鋒の三軍各々路を三つに分ち、京城を目指して進んだが、処々に合戦あるものの、まるで無人の境を行く如しと云ってよい位の勢いであった。

これに対する朝鮮軍の行動であるが、日本軍出動の報が入ると、申、李鎰の二人をして辺防の事を司らしめた。申※(「石+立」、第4水準2-82-36)は京畿、黄海の二道、李鎰は忠清全羅の二道を各々巡視したが、ただ武器を点検する位に止った。申※(「石+立」、第4水準2-82-36)の如きは眼中に日本軍なく、暴慢で到る処で徒らに人を斬って威を示す有様なので、地方官は大いに怖れてその待遇は大臣以上であったと云う。李鎰は尚州の附近に駐屯して居たが、小西行長の先鋒は既に尚州に迫りつつあった。朝鮮軍の斥候はこの事を大将李鎰に報告したが信用しない。反って人心を乱す者であるとして斬って仕舞った。その中に陣の前の林中に怪しい人影が動く。人々どうも日本軍の尖兵ではないかと疑ったが、うっかり云って斬られてもつまらないと誰も口にしない。