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にほんすいりしょうせつのまがりかど
日本推理小説の曲り角
十返 肇
線上閱讀十返 肇《日本推理小説の曲り角(にほんすいりしょうせつのまがりかど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 2,901 字 · 6 頁
「高過ぎた代償」「三人目の椅子」(ただしこの小説は結末がおそまつ過ぎて失望した)の佐野洋や、「天国は遠すぎる」の土屋隆夫などが、この“曲り角”を突破しそうな可能性を示してくれている。しかし、手ッ取り早い観方ではあっても、それだけでは粗雑すぎよう。いつの時代でも、新人には期待をかけられるが、また頼りないのも新人であって、ヴェテランの底力を軽視してはなるまい。ただ、正直にいって、現在の推理小説界のヴェテランが、さしあたって私たちを歓ばしてくれそうな予感を、私はほとんどおぼえることができない。彼らの多くは、「新青年」華やかなりし頃の「探偵小説」への郷愁から脱し得ていないのではあるまいか。
いわゆる純文学系作家の進出と、新人たちの登場に挾撃されて、安易な「捕物帖」へ逃げてばかりいては困るので、高木彬光などは、もう少し意欲的作品を見せてくれるべきではあるまいか。
ところで、私が、推理小説に望みたいことはいい古されたことながら、もう少し主人公に魅力ある人物を登場させられないか、という点である。いうまでもなく、明敏神のごとき名探偵や、スーパーマンを意味するのではない。