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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁

青空文庫

お紺が酒屋の裏口をうかがって、その物置から何か持ち出そうとするところへ、あたかもお伝が来あわせて、かれを怪しんで取り押えようとしたので、忠実な犬はたちまち相手に飛びかかって主人を救った。犬がその敵に噛みつくのは、いつも喉笛の急所であるべく教えられていた。第二の生贄となった小間物屋の女房も、やはり同じ運命であった。しかも第三のお作の場合は、見咎められたままにお紺がおとなしく立ち去ってしまえばよかったのであるが、彼女はお作が白い肌をあらわして素っ裸で行水をつかっている姿をみて、一種の残酷な興味を湧かせた。かれは血に飢えている犬を嗾かけて、お作を咬ませたのであった。そうして、自分の運命をも縮める端緒を作り出したのであった。

そのほかにもお紺は所々で盗みを働いていたが、幸いに人にも見咎められなかったのである。そこらで鶏をぬすんだのも、やはり彼女の仕業であった。その申し立てによると、お紺も最初は鶏に眼をつけていなかったが、ある時にその犬が一羽の鶏を咬んだのをみて、なんでも盗むことに興味を持っている彼女は、その以来、犬をつかって鶏を捕らせることをも思い付いたのである。