輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁
半七捕物帳
一
老人とわたしと差し向いで、五月の雨のふる日曜日を小半日も語り暮した。時節柄で亀戸の藤の噂が出た。藤の花から藤娘の話をよび出して、それから大津絵の話に転じて、更に鷹匠のはなしに移る。その話を順々に運んでいては長くなるから、前置きはいっさい略して、単に本文だけを紹介することにした。
安政六年の十月、半七があさ湯にはいっていると、子分の一人があわただしく迎えに来た。
「親分。八丁堀の旦那から急に来てくれということですぜ」
「そうか。すぐ帰る」
八丁堀から呼ばれるのは珍らしくない。しかしそれが普通の出来事であるならば、すぐにその現場へ出張を命ぜられるのが習いで、特に八丁堀の屋敷へ呼び付けられる以上、なにか秘密の用件であることは多年の経験で半七もよく承知していた。彼は早速に湯屋から飛び出して、あさ飯を食って着物を着かえる間にも、その用件がどんなことであるかを想像した。この職業の者には、一種の暗示がある。俗に、「虫が知らせる」ということが不思議に的中するためしがしばしばある。半七も黙ってそれを考えていたが、けさはどうもその判断がつかなかった。その事件の性質がなんであるか、まるで見当が付かないで、半七はなんだか落ち着かないような気持でそわそわと神田の家を出た。