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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁

青空文庫

「その通り、どんなものでも蓋がしてあれば判らない。そのお手際じゃあ、ここにいる人間もどんなものだか判りますまいね」

「いや、それで判った」と、式部は又にわかに声をやわらげた。「それについて、こなたに少しお話し申したいことがある。お手間は取らせぬ。奥へちょっとお出でくださらぬか」

「折角だが御免を蒙りましょう。こっちが奥へ行くよりも、そっちが表へ出て貰いましょう」

「そこがお話だ。ともかくも奥へ……。どうもここではお話が出来にくい」と、式部はしきりに誘うように云った。

「ええ、うるせえ。出ろと云ったら素直に早く出て貰おう」と、半七は小膝を立てながら云った。「おめえばかりじゃあねえ。そこにいる行者様もその巫子も、みんな一緒に出てくれ」

「どうしても出ろと云われるか」と、式部は少し身がまえしながら云った。

「くどいな。早く出ろ、早く立て」と、半七もふところの十手を探った。

この場の穏かならない形勢が自然に洩れて、玄関に待ちあわせている人々もざわめいた。中には起ちあがってそっとのぞく者もあった。それをかき分けて善八はつかつかと神前へ踏み込んで来た。

「親分、どうしますえ。