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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁

青空文庫

二人の女は黙っていた。

「知らないかえ」

「知りませんね」と、初めの女が答えた。

「いや、ありがとう」

挨拶して半七は別れた。教えられたままに名主の家をたずねて、鷹のことを聞き合わせると、村じゅうで誰も見つけたものはないらしく、現に今までも届けて来たものは無いとのことであった。鷹は前にもいう通り、普通の家で飼うべきものでない。その鷹の詮議とあれば容易ならぬことと察したらしく、名主も眉をよせて訊いた。

「そのお鷹はやはり御鷹所のでございますか」

「千駄木のですよ」と、半七は正直に答えた。「しかし、これは内密に探索しなければならないのですから、おまえさんの方でもそのつもりで……。なにか心当りがありましたら、わたしのところまでこっそり知らせてください」

「承知しました」

名主によく頼んで置いて、半七はそこを出ると、空の色はいよいよ怪しくなって来た。引っ返して名主のところで傘を借りて来ようかと思ったが、それも面倒だとその儘すたすた歩き出すと、川の縁でさっきの二人の女にまた逢った。

「や、さっきはありがとう」

女たちは無言で会釈して別れた。村はずれまで来かかると、時雨がとうとうざっと降って来たので、半七は手拭をかぶりながら早足に急いでくると、路ばたに小さい蕎麦屋を見つけたので、彼は当座の雨やどりのつもりで、ともかくも暖簾をくぐる