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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁

青空文庫

ひと通りの挨拶が済んで、老人は機嫌よく話し出した。

「あなたは義理が堅い。この降るのによくお出かけでしたね。あっちにいるあいだも、とかく降られ勝ちで困りましたよ」

「なにか面白いことはありませんでしたか」と、わたしは茶を飲みながら訊いた。

「いや、もう」と、老人は顔をしかめながら頭をふってみせた。「なにしろ、宇都宮から三里あまりも引っ込んでいる田舎ですからね。いや、それでもわたしの行っている間に、雀合戦があるというのが大評判で、わたくしも一度見物に出かけましたよ。何万羽とかいう評判ほどではありませんでしたが、それでも五六百羽ぐらいは入りみだれて合戦をする。あれはどういう訳でしょうかね」

「東京でも曾てそんな噂を聴いたことがありましたね」

「雀合戦、蛙合戦、江戸時代にはよくあったものです。この頃そんな噂の絶えたのは、雀や蛙がだんだんに減って来たせいでしょう。あいつらも大勢いると、自然縄張り争いか何かで仲間喧嘩をするようになるのかも知れません。人間と同じことでしょうよ。ははははは」

それから枝がさいて、江戸時代の蛙やすずめの合戦話が始まった頃に、ばあやが帰って来た。