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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁
どうなりますかね」
「妹には内証の情夫なんぞ無かったのか」と、半七は又訊いた。
「さあ、そいつは判りませんね。そこまではまだ手が達きませんでしたが……」と、源次は頭を掻いた。
「面倒でも、それをもう一度よく突き留めてくれ」
二
源次を帰したあとで、半七は帷子を着かえて家を出た。彼は下谷へゆく途中、明神下の妹の家をたずねた。
「おや、兄さん。相変らずお暑うござんすね」と、お粂は愛想よく兄を迎えた。
「おふくろは……」
「御近所のかたと一緒に太郎様へ……」
「むむ、太郎様か。この頃は滅法界にはやり出したもんだ。おれもこのあいだ行って見てびっくりしたよ。まるで御開帳のような騒ぎだ」
「あたしもこのあいだ御参詣に行っておどろきました。神様もはやるとなると大変なもんですね」
「時にこんな物を加賀様のお手古の人に貰ったから、おふくろにやってくんねえ」
半七は風呂敷をあけて落雁の折を出した。
「ああ、墨形落雁。これは加賀様のお国の名物ですってね。家でも一度貰ったことがありました。阿母さんは歯がいいから、こんな固いものでも平気でかじるんですよ」と、お粂は笑っていた。
彼女は茶を淹れながら、兄に訊いた。