輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(二)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(二)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 215,865 字 · 432 頁

青空文庫

併しそこにまだ一つの疑問が残されていた。それは時光寺の住職がかの事件の起る以前からと俄かに犬を嫌うようになったということである。私はそれを聞きただすと、老人は笑って答えた。

「それはなんにも係り合いのないことなんです。住職が犬を嫌うようになったというので、おそらく狐が化けていたのだろうなどという疑いも起って来たんですが、だんだん調べてみると斯ういうわけでした。住職は出家のことで、ふだんから畜類を可愛がっていたんですが、本山反対の運動を起してから、こんにちの詞でいえば神経が興奮したとでもいうのでしょう。なんだか苛々したような気分になって、今まで可愛がっていた犬などにも眼をくれず、犬の方から尻尾をふって近寄っても、怖い顔をして追っ払うという風になった。そこへ例の一件が出来したもんですから、それが又何だか仔細ありげに云い触らされるようになったのです。一体この事件にかぎらず、わたくし共の方ではよくこんな事でいろいろ思い違いや見込み違いをすることがあります。無事の時ならばなんでもないことが、大仰に仔細ありげに考えられますから、よっぽど注意しないといけません。