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はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

まあ、こんな手妻だろうと思っていた。ところが案の通り、ゆうべの蝶々には菅糸が付いていた。おめえも寺の庭で菅糸を拾った。万事が符合する以上は、もう間違いはあるめえ。蝶々の正体は大抵判ったと云うものだ」

「そうです、そうです」と、留吉は又うなずいた。「成程、親分の云う通り、お化けと烏凧で、手妻の種はすっかり判った。ところで、それを使う奴は……」

「お冬という奴だろう」

「なぜそんな事をするんでしょう。唯の悪戯でもあるめえが……」

「唯のいたずらじゃあねえに決まっている。それにはお冬を使って、何かの仕事を目論んでいる奴があるに相違ねえ。誰かがお冬の糸を引いて、お冬がまた蝶々の糸をひくと云うわけだから、順々に手繰って行かなけりゃあ本家本元は判らねえ。それにしても、ここまで漕ぎ付けりゃあ大抵の山は見えているよ」と、吉五郎は笑っていた。

「そうすると、お冬はゆうべ又あの寺へ舞い戻って来たんでしょうか」と、留吉はまた訊いた。

「そうのようにも思われる。そうでねえようにも思われる。おれもそれを考えているんだが……」

「でも、その菅糸が落ちていたんですよ」

「この一件はお冬ばかりじゃあねえ。