輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はんしちとりものちょう

時代推理小説 半七捕物帳(六)

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(六)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 196,831 字 · 396 頁

青空文庫

近所でも心配しているんですが、まだ判りません」

火の番はいわゆる番太郎で、普通は自身番の隣りに住んで荒物屋などを開いているのであるが、この町の火の番は露路のなかに住んでいた。藤助も以前は表通りに小さい店を持っていたのであるが、三年前に女房に死に別れて、店のあきないをする者がなくなったので、町内の人々の諒解を得て、店は他人にゆずり自分は露路の奥に引っ込んで、やはり町内の雑用を勤めているのであった。

「藤助には娘があったね」と、長三郎は又訊いた。

「お冬という娘がございます」と、源蔵はうなずいた。「明けて十五で、人間もおとなしく、容貌もまんざらでないんですが、可哀そうに、子供の時に疱瘡が眼に入ったもんですから、右の片眼が見えなくなってしまいました」

「その娘も心配しているだろうね」

「もちろん心配して、お神籤を引いたり、占いに見て貰ったりしているんですが、どうもはっきりした事は判らないようです」

これだけ聞けば、その上に詮議の仕様もないように思われたが、ともかくも藤助の家の様子を一応は見とどけて帰ろうと思い直して、長三郎はその案内をたのむと、源蔵は先きに立って自身番に近い露路のなかへはいった。