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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(四)
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《時代推理小説 半七捕物帳(四)(はんしちとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 217,272 字 · 434 頁
「帰りました」と、元八は又答えた。
「真っ直ぐに帰ったかえ。確かに帰ったかえ」と、半七は相手の顔を睨むように見た。「緑屋の爺さんは欺されても、おれは欺されねえ。おめえは何処までも三人のあとを尾けて、この寺のなかまではいり込んだろう。隠すと、おめえの為にならねえぜ。正直に云え。それから何か立ち聴きでもしたか」
「まったく直ぐに帰りましたので……。あとの事は知りません」
「こいつ、道楽者のくせにあっさりしねえ野郎だな。やい、元八。てめえはあのお鎌という婆さんから鼻薬を貰って、口を拭っているのだろう。くどくも云うようだが、緑屋の爺さんと此の半七とは相手が違うぞ。その積りで返事をしろ」
頭から嚇されて、元八は蒼くなった。半七は衝っと寄って、その片腕をつかんだ。
「さあ、野郎。この腕に縄が掛かるか、掛からねえかの分かれ道だ。返事をしろよ。返事をしねえかよ」
掴んだ腕をゆすぶられて、元八はいよいよふるえた。
「親分の仰しゃる通り、実は三人のあとを尾けて……」
「寺のなかまではいり込んだな。それからどうした」
「三人は案内も無しに上がり込みました」
「坊主はいたのか」
「住職、納所もいました。